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ワンポイントアドバイス

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消滅時効

2020年4月1日に改正民法が施行されました。

これにより,権利の消滅時効期間についてのルールも変更されました。

原則として,改正後の民法の「施行日前に債権が生じた場合」又は改正民法の「施行日前に債権発生の原因である法律行為がされた場合」には,その債権の消滅時効期間については,原則として,改正前の民法が適用されます。

上記のいずれにも該当しない場合には,改正後の民法が適用されます。

しかし,例外として,生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(例えば,交通事故でのお怪我など)の消滅時効の期間については,施行日の時点で改正前の民法による不法行為の消滅時効(「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間」)が完成していない場合には,改正後の新しい民法が適用されます。

たとえば,

①改正後の民法の施行日前の2019年3月に相手方の過失により交通事故で傷害を負った。

②改正後の民法の施行日後の2023年3月に加害者に対して,上記交通事故によって傷害を負ったことを理由に損害賠償請求をした。

このような場合,改正後の民法の施行日である2020年4月時点で不法行為の消滅時効(「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間」)が経過していないため,改正後の民法が適用されることになります。

そのため,消滅時効は完成していないため,損害賠償請求が依然可能です。

なお,改正後の民法では,生命または身体を害する不法行為については,消滅時効が3年間から5年間に延長されていますので,この点もご留意ください(改正後の民法724条の2)。

弁護士 笠谷 太郎